ペットを飼われていたり関心のある方なら一度はペットロスという言葉を自分ごととして、考えた事があるのではないでしょうか。
今回はうちのシニアの愛犬が今年の春に 余命宣告を受けたことで、いつか訪れるとわかっていたものの、ついに向き合わざるを得なくなった私の心境やペットロスについての実体験を交えてお話したいと思います。
これは、心にぽっかり穴が開くような喪失感が起こる原理がわかればペットロスは無駄に怖がる必要がないんだって、そうグリーフケアというものに気づかせてもらった私の体験談でもあります。
余命宣告を受けたうちのこ
ペットがいつまでも健康で長生きしてくれることは私たち飼い主の共通の願い。
だけど十数年と与えられた命をまっとうするペットたちの旅立ちを、いずれ私たちは見おくってやることを初めに約束して家族に迎え入れたことも、いつか思い出す日がやってきます。だからこそ、このコと私のハッピーエンディングもちゃんと準備したいなって、そう思わせてくれたのがグリーフケアでした。
ペットロスってなぁに?
ペットロスという言葉のその意味を私は「ずっと一緒にいたペットがいなくなって、残された飼い主の心にポカンと穴の空いたような‥悲しみが日常にずっと浸潤しているような、そんな様のことかな。」と漠然とイメージしていました。
その言葉の意味を岩波書店の広辞苑で調べてみれば
ペット‐ロス【pet loss】
ペットを失うこと。また、ペットの死がもたらす深い喪失感。
と書かれています。
ふーむ。
というのも最近、うちの14才になった愛犬のボーダーコリー さら が不治の病を発症し余命宣告をうけたことで、漠然と捉えていたその言葉の意味を深く知るきっかけになりました。
まだ新しい分野と言えるのかもしれませんが、獣医師の阿部美奈子先生が「待合室診療」という新しい分野を開拓されていて、これがどうもペットロスってなんでおこるの?という原理を理解すれば、その心の現象を無駄に怖がらなくてもいいんだよ、ということを私に教えてくれました。
飼い主とペットの心癒す 待合室診療
この待合室診療というのは、動物病院で不安な表情で待っている動物と飼い主さんに、グリーフケアを学んだ獣医さんやカウンセラーが話しかけることからはじまる診療のことです。
私が動物病院に勤めていた時に実感していたことでもあるんですが、動物病院では病気の治療がメインになるため、飼い主さんやペットの心が置き去りになってるという事はよくあります。
飼い主とペットの心癒す グリーフケア
グリーフとは、直訳すれば「深い悲しみ」や「悲嘆」を意味する言葉ですが、広辞苑には現段階では載っていません。
何かを失ったときに起こる身体上・精神上の変化をさしていて、死別はもちろんのこと、病気やケガが原因でもとの生活を失うことでも私たちはグリーフを経験します。
ペットが病気をすると飼い主はもちろんですが、今までのような生活が送れないことに動物もグリーフを感じているのです。
阿部美奈子先生の本「犬と私の交換日記」の中で、
ペットは未来を思い煩(わずら)うということはしませんので、もしおうちの人が悲しんでばかりいたら、飼い主さんの笑顔が失われたというグリーフをペットが抱えるんですよ
ということが書かかれていて、ハッ!と、そうかと。気付かされたんですよね。
確かにうちのコをみていても、思い煩(わずら)って落ち込んでいる様子はなく、体調がいい日はニコニコした表情であそぼうよー、とおもちゃをくわえてくるし、調子の出ない日は穏やかな音楽を聴きながら寝そべって過ごしています。
じゃ、私がこのコにできることは何かな?
と考えてみたら、今は遊びたいとか今は静かに寝ていたいとか、そういったその時々の欲求を満たしてやることで、それには快適な環境を整えてやったり、必要な時に手助けしてやったり、そして毎日そばにいる人がなるべくご機嫌でいてやることなんじゃないかなって。
そう思って過ごしていると、私にとっても過ごしやすいわけです。
病気もこのコの一部だから、それを受け入れてあげる。お別れが近づいてるって、ふと思うと確かに悲しくて涙が浮かんでくるんだけど、この気持ちも否定しないで受け入れてあげる。そんな時は、それくらいこの子のことを大切に思えているんだなって思うと温かい気持ちにもなってくるものです。
ついね、人は未来のことを思い煩うものですが、そこは犬のサラにこの14年のあいだに気づかせてもらった、”今に集中して生きる”が役立っています。
それは本当に感謝しないと。
さら、ありがとう。
私と愛犬さらのハッピーエンディング
いかがだったでしょうか?
今回は、グリーフが起こる原理がわかればペットロスは無駄に怖がる必要がないんだって、グリーフケアに気づかせてもらった私の体験談を書いてきました。
もしグリーフケアについて少しでも興味をもたれたりもっと深く知りたいと思った方は、獣医師 阿部美奈子先生が書かれた本を手に取ってみて下さい。
ペットがいつまでも健康で長生きしてくれることは私たち飼い主の共通の願いですが、10数年と与えられた命をまっとうするペットたちの旅立ちを、いずれ私たちは見送ってやることを初めに約束して家族に迎え入れました。
だからこそ、このコと私のハッピーエンディングもちゃんと準備したいなって、そう素直に思っています。
さて、4月末に血管肉腫という病気が発覚して以来、愛犬サラの記録がある程度たまってきましたので、次回はサラと同じような病気の愛犬がいる方に向けて情報をシェアできたらいいなと思っています。
この記事があなたの何かお役に立てる部分があれば幸いです。
時間ができたらいつでも遊びにきてくださいね。
ケティコでした。
コメント
[…] ペットロスを怖がらないで、このコの病気もこのコの一部だってうけいれてあげる。それでもやっぱり心にで浮かんでくる哀しい気持ちも否定しないで受け入れることにしたことについては、前回の記事で書きました。 […]